読売新聞 2016年2月23日

児童養護施設の子供たちへの定期接種について、厚生労働省は4月以降、保護者の同意が取れない場合でも施設側の判断で円滑に接種を行えるよう、省令を改正する。
養護施設は、子供たちの入所の際、保護者から予防接種について同意を得ることを原則としてきた。しかし、児童虐待などが原因で子供を保護した場合や、保護者が精神的な疾患を抱えている場合など、同意が取れず、裁判所に親権停止を申し立てるなどの対応が必要で、接種までに時間がかかるケースがあった。
京都府では2013年、女子中学生が予防接種を受ける際、保護者に繰り返し連絡したが、結局、京都家裁に保護者の親権停止を申し立てた。申し立ての準備から実際の接種までに約1年かかった。
島根県でも、保護者が面会を拒否したり、留守がちで連絡を取るのに苦労したりするケースが近年3件あった。
国が昨年、地方分権改革への提案を募った際、両府県を中心に、「速やかに接種を行うための法的な後ろ盾が必要」との声が上がっていた。
保護者が行方不明や入院中などで、連絡自体が不可能な場合については、同省が昨年12月、施設長の権限で予防接種ができるという通知を出している。