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児童養護施設を学ぶ

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児童養護施設とは!

児童養護施設は、日本中の全ての子どもたちが、家庭の事情で入所するかも知れない場所です。「自分たちとは関係のない場所だ」と考えている方がいたら、認識を見直すべきでしょう。
あなたは、今の幸せが、いつまでも続くと未来を予測することが出来ますか。
もしかしたら、交通事故や災害で、命を落とすかも知れません。経済的に破綻するかも知れません。離婚の危機に見舞われるかも知れません。重い病気を患うかも知れません。虐待をするかも知れません。
未来は、何が起こるか分かりません。何かの事情で、どうしても子育てが出来なくなったとき、あなたの代わりに子育てを担ってくれるのが児童養護施設です。
児童養護施設は、あなたと全く関係のない福祉施設ではないのです。母子家庭や父子家庭の子どもたちもいます。経済的な理由、病気による入院、刑事事件等による収監、保護者の死亡や行方不明等の子どもたちもいます。DVや虐待が日常的に行われていた家庭の子どもたちもいます。あなたの未来に、このような事情が絶対起きることはないと確信できるでしょうか。
児童養護施設は、子育てを家庭だけではなく、社会として担っていこうとの「社会的養護」の働きを実践している場所なのです。つまり、児童養護施設だけに子育てを任せるのではなく、社会として、子どもたちを愛していくことが大切な事なのです。
児童養護施設は、税金により運営されています。つまり、経済的に他人事ではないのです。あなたが納めた税金が関わっています。同じ、児童福祉施設として保育所がありますが、多分、こちらは利用する人も多く、身近な存在でしょう。利用するためには、利用料も必要です。児童養護施設も、児童入所施設徴収金が所得税額に応じて保護者から徴収されています。つまり、児童養護施設も保育所も児童福祉施設であることに変わりありません。ただ、圧倒的に保育所の利用者が多いだけなのです。
究極の状況を思い浮かべてみましょう。それは、あなたが子育て中に何かの事故で夫婦とも亡くなってしまったと想像してください。あなたのお子さんは、どうなりますか?育ててくれる親がいなくなり餓死してしまいますか。あなたの身内や親戚で、自分亡き後、我が子を育ててくれる方はいますか。核家族化が進んでいる現在、更に自分の家族が生きていくのに精一杯の中で、それでも、我が子を育ててくれる身内や親戚が確実に存在すると確信が持てますか。反対のことを考えてみましょう。あなたの身内や親戚でご不幸があったとき、あなたは、そのご家庭のお子さんを我が子同然に子育てをすることが出来ますか。
現在の日本社会では、そのような状況のお子さんが、路頭に迷ったり、餓死したりすることはありません。義務教育なども確実に受けることが出来ます。それは、何故か、福祉施策があるからです。身内や親戚の方など、どうしても引き取り先が見つからなければ、児童養護施設等の福祉施設が、あなたに変わって、子育てを担ってくれる。それが福祉なのです。

児童養護施設の子どもたちは!

日常的に起こるDV、我が身に降りかかる虐待などで、ごく稀に自分で希望して児童養護施設に入所してくる子どもたちもいますが、殆どの子どもたちは、望まずして入所してきます。いわゆる大人の都合で、いつのまにか、児童養護施設での生活を余儀なくされているのです。
児童養護施設において子どもたちは、日本国憲法第二十五条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」を根拠に、児童福祉法の規定に基づき定められた児童福祉施設最低基準第2条「最低基準は、児童福祉施設に入所している者が、明るくて、衛生的な環境において、素養があり、かつ、適切な訓練を受けた職員(児童福祉施設の長を含む。以下同じ。)の指導により、心身ともに健やかにして、社会に適応するように育成されることを保障するものとする。」により、衣食住は勿論のこと、育成されることを保障されています。
そのため、児童養護施設に入所したことで、不幸な生活を強いられることはありません。食生活は、栄養士によって立てられた献立により、年齢に応じたバランスの取れた栄養を吸収し身体的成長を促しています。栄養士は、食育に工夫を凝らすと共に、楽しい食事時間を過ごせるように献立にも工夫を凝らしています。また、食材についても、入手経路を明確にし安全安心な食材を選択しています。子どもたちの子育てを担う職員は、常に子どもたちと食事を共にします。要するに子どもが冷めた食事を一人寂しく食べる瞬間は、殆どありません。食生活については、一般家庭より豊かな状況と言えるのかもしれません。
衣類については、昭和時代は、寄贈品としていただいた中古衣料を子どもたちに提供することもありましたが、平成の世では、衣類購入の予算を割当て、新品の衣類を子どもたちに提供しています。幼い子どもたちは、職員が単独で購入することもありますが、ある程度の年齢の子どもたちについては、一緒に買い物に行ったり、高学齢の子どもたちは、自分で買い物に行くこともあります。高級な衣服を買いそろえることは出来ませんが、必要最低限の衣類は、新品により揃えられるのです。もちろん、洗濯も、洗濯機が毎日4回5回も稼働し、常に衛生面にも気を配っています。高学齢の子どもは、下着など自分で洗濯機をまわすなど日常的な光景です。
住環境は、昭和50年代以前に建てられた児童養護施設が建て替えを進めており、国は、小規模ユニットケアを推奨しています。いわゆる、5LDK程度の間取りの一戸建てまたは、マンション型の住まいに6名~8名程度の子どもたちが生活する形式です。兄弟姉妹の多い戦前の日本の家庭を思わせる家庭環境と言えます。それでも、寮生活のような集団的な生活環境ではなく、より一般家庭に近似した生活環境と言えます。昨今の児童養護施設の住環境は、機能面より、QOL(生活の質)を念頭に置き、一般的な生活機器を導入し、同年代同世代の子どもたちの生活環境と同じようにしているところが増えています。
では、子育て能力のある素晴らしいまた、献身的な職員に恵まれ、生活環境がある程度満たされていれば子どもたちは満足するのか。否です。幼稚園に行けば、他のお友達は、母親が迎えに来て我が家に帰っていく。学校に行けば、クラスメート達は、家族の待つ我が家に帰宅していく。そんな光景を毎日目にしている児童養護施設の子どもたちの心境はいかなるものでしょう。
社会の基本は家庭と言われています。つまり、人が最初に所属意識を持つのは、家庭です。それは、児童養護施設の子どもたちも同じです。それが例え、どんなに過酷な環境の家庭であっても、所属意識は家庭にあるのです。児童養護施設は、自分の本当の居場所と認識できない。認識したくないのが当然の結果と言えます。本当の居場所に存在していない自分について劣等感を抱き、早くこの場から脱したいとの心境に陥ることに対して、誰が、それを否定や肯定ができるでしょうか。高学齢になるにつれて、その子どもたちの心境が生活面に表出されてきます。そして、その心境が子どもたちの心の中で、やっと消化されるのが、高校卒業後に社会に旅立っていく、その時なのです。もちろん、結局消化できずに、劣等感や嫌悪感を抱いたまま社会に旅立っていく子どもたちもいます。
日本社会では、殆ど認識されていませんが、児童養護施設の子どもたちも、いわゆるマイノリティ(社会的少数者)問題に関連していると言えます。私たちは、マジョリティ(社会的多数)としての優越感をマイノリティ(社会的少数者)に対して、心の片隅に抱いていないでしょうか。児童養護施設の子どもたちは、精神的にも知識的にも未熟が故に、どうしてもマイノリティ(社会的少数者)の意識を抱きがちです。これを解決しない限り、子どもたちの真の満足感は得られないでしょう。
社会的養護とは、社会が子どもたちを支え合い、社会に受け入れていくプロセスが求められます。そこに、少数派や多数派的な考えが介在してはいけないのです。児童養護施設で生活することは、日本社会の中で特異なことなのか普通のことなのか、「普通のことだ」と思ったあなたは、何を成すべきなのか、考えてみては如何でしょうか。

施設内虐待について

2000年代、新聞記事になった施設内虐待は、児童養護施設だけでも67施設あります。もちろん、潜在的な施設内虐待もあると推測できますので、もっと高い数字になると考えられます。
2006年に、新聞記事になった児童養護施設が16件と例年になく多く、これは、2005年(平成17年)の児童福祉法改正により、マスコミが児童養護施設を注目していたのだろうと推測できます。
施設内虐待が表面化した事実を受け、2008(平成20年)の児童福祉法改正で、被措置児童虐待の通報制度が設けられ、虐待を発見した者や、虐待を受けた児童は、児童相談所等に通報又は届出できるようになりました。
しかし、数字的には、2000年代だけで、全体の約11%の児童養護施設で、施設内虐待が行われていたことになります。(露呈した数字であり、実際は…?)
児童養護施設における施設内虐待の代表的事例としてあげられるのが、恩寵園事件ですが、これは、1990年代の事件です。
2000年に、新聞記事になった児童養護施設が11件と多いのは、恩寵園関係者が1999年-2000年にかけて逮捕された影響により、マスコミが児童養護施設を注目していたのだろうと推測できます。

施設内虐待には、3つの要素があります。
1.職員が子どもに対して行う場合
2.子ども同士の場合
3.子どもが職員に行う場合

児童養護施設では、施設内虐待防止に向けて、なにも取り組んでいないのか。否です。様々な取り組みを行っています。

・子どもが児童相談所児童福祉司に直接、相談することができる。…児童福祉法に明記されています。
「児童福祉法 第三十三条の十二3 被措置児童等は、被措置児童等虐待を受けたときは、その旨を児童相談所、都道府県の行政機関又は都道府県児童福祉審議会に届け出ることができる。」
・保育実習生やボランティア(家庭教師等)など外部の人を生活場面に受け入れる。
・要望解決第三者委員会と要望受付窓口の設置。…制度的に義務づけられています。
・外部機関による第三者評価の受審。(受審しない年度は、福祉サービス自己評価の実施) 制度的に義務づけられています。
・各種外部研修会への参加。(人材育成)
・施設内研修の実施。(人材育成と勉強会)
・主任配置。(リーダーによるチェック機能)
・業務内容打合せ。(職員相互間におけるチェック機能)
・施設長と主任クラスによる運営会議。(施設長によるチェック機能)
・その他、各児童養護施設による独自の取り組み

特に、児童福祉法に明記されている、あるいは、制度的に義務づけられている事柄については、全ての児童養護施設が取り組んでいることになります。
確かに、調査実施状況も公開されており、施設内虐待の件数が明記されています。つまり、施設内虐待は現実の出来事として存在します。
施設内虐待は、起こってはいけないことです。目を背けたり、知らないふりをすることは、もっての外です。しかし、各自治体が現実を直視し、改善に向けて真摯に取り組んでいることも紛れもない事実です。

児童福祉法では、施設内虐待に関して罰則規定が設けられていないため、実際に施設内虐待が発覚した場合は、刑法他の法律が適用されることになります。しかし、児童養護施設が組織的に施設内虐待の事実を隠蔽していたり、子どもたちを規則でがんじがらめにしていたり、子どもたちに恐怖感を植え付けるような指導をしていたり、児童権利ノートを配付していなかったり等があれば、事実の発覚が遅れる場合もあるでしょう。現実的に、昨今まで事件として報道されている事実がありますので、約600ヶ所の児童養護施設、全てで絶対施設内虐待は行われていないと断言できないことは悲しいことです。
施設内虐待について改善努力をしなければいけないのは、施設内虐待を行っていた児童福祉施設でしょう。もともと、施設内虐待などあり得ない児童福祉施設は、予防策を講じることになります。また、施設内虐待が発覚し、猛省し改善努力をしている児童福祉施設もあります。つまり、各児童福祉施設の状況によって異なります。施設内虐待が、一切ない児童養護施設も現実に存在することも事実です。

地域への所属意識

児童福祉施設は、独立した存在ではなく、地域社会の中で生活していることで、その存在感を見いだすことが出来ます。学校のPTAに加入することは、勿論のこと、地域の会合や消防団活動にも積極的に参加しています。地域活動の中には、夏祭りやリサイクル活動などの行事がありますが、子どもたちと一緒に参加します。
地域の中で生きていくと言うことは、地域の皆さんと交流することです。児童福祉施設の職員や子どもたちが地域へと積極的に飛び出し、児童福祉施設の資源である会議室やホールを地域の方々に開放するなど、相互協力の中から、相互理解が成立します。
地域によっては、児童福祉施設の後援会を引き受け、資金や物資面の支援を行っていたり、クラブ活動を通して、児童福祉施設と地域との垣根を一切無くした活動を展開している所もあります。地域と児童福祉施設の関係には、様々な形がありますが、大切な事は、児童福祉施設が地域社会の一員として認知され、相互協力が、気兼ねなく行われていくことです。
地域社会に溶け込む働きかけのきっかけは、殆どの場合、大人(職員)たちが構築していきますが、時には、子どもたちのリーダーが、夏祭りの例えば、御神輿担ぎ等でリーダーシップを取り、地域を盛り上げていく場面などもあります。
現代社会において、地域社会の中での住民関係が希薄になりつつあるのも事実ですが、そんな時代だからこそ、児童福祉施設が地域の中で、しっかりと存在感を示し、地域に関わっていくことが求められます。
「僕は、○○町に住んでいました。」、子どもたちが大人になった時、自分が幼少時住んでいた場所を自信を持って言えるようになるためには、やはり地域への所属意識が大切です。
子どもたちの中には、スポーツクラブに所属したり、塾に通ったり、友人宅に遊びに行ったりなど、日常生活の中で、自然に地域に溶け込んでいる子どももいます。また、殆どの子どもたちは、近所の店で買い物をします。時には、残念なことですが、万引きなどの触法行為もあります。いろんな意味で、子どもたちは、地域と関わっています。それらは、社会性に繋がっていくことは勿論のこと、思い出として、子どもたちの人生に刻み込まれていきます。

児童福祉のニーズ

戦前までの時代では、子育て技術の連鎖が自然の摂理でした。まず、家族関係では、祖母から娘や嫁へと子育ての方法が伝授されたり、多子の時代であり兄弟が幼子の子守をしたり、また、近所関係においても相互扶助が成立していました。ところが、戦後の高度経済成長に伴い都市部を中心に囲むように住宅地ができるドーナツ化現象と共に核家族化も増加していきました。団地やアパートやマンションでは、2世帯が居住するには手狭であり、加えて、祖母たちの世代は、生まれ育った土地から離郷するには苦渋の決断が必要だったでしょう。結局1世帯での生活パターンが増加していくことになりました。つまり、子育て技術の連鎖が崩れていく結果へと繋がっていきました。それでも、当時の勤勉な母親たちは、田舎に電話したり育児書で学んだり、同じ子育て中の母親たちと情報を共有したり等の工夫によって乗り切っていきました。
そして、現代、「核家族」「共働き」「住宅ローン」「不純異性交遊の年少化」「一人っ子」「育児ノイローゼ」などのキーワードが示す通り、子育て技術の伝授力が弱体化したり、性知識の氾濫が影響してか、大人としての成熟を待たず妊娠したり、他人への思いやりや我慢する力が低下し、「きれた」のキーワードが社会問題として取り上げられたり、母親一人で子育てを担うプレッシャーからノイローゼに陥ってしまったり、DVに代表される家庭内暴力など、様々な要因が交錯しています。また、現代社会のストレスによる精神的プレッシャーで心の病に陥るパターンもあります。
「自閉症」「AD/HD(注意欠陥多動性障害)」「LD(学習障害)」「トラウマ」などのキーワードが示すのは、平均的な子育て技術では、対応が難しいお子さんがいる事実を表しています。
(-)面がクローズアップされてしまいましたが、ほとんどのご家庭では、平々凡々と子育てが営まれています。しかし、一部のご家庭に於いて、家庭養育困難な状況が生じてしまっています。子どもたちは社会構造の基礎である家庭で成長していくのが一番と考えています。ところが、「虐待」「保護者の心の病」等、場合によっては、危険な状況から保護することも必要になり、そのため、児童相談所の行使力が制度化されたりしています。

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