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財務情報開示を紐解く

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措置費基礎知識

措置費

 入所児の福祉を図るための運営費、すなわち、入所児処遇費、職員人件費及び施設の維持管理等を一括して《措置費》と呼んでいます。
この措置費という言葉は、もともと法律上の用語ではなく、行政上用いられている用語ですが、これは児童福祉施設への入所の措置に伴い支払われる経費という意味を表しています。もちろん、最低基準を維持するに足りる費用という性格をも含んだ意味なのです。
「最低基準」というのは、極めて低いという意ではなく、児童の健康にして文化的な生活を保障するのに必要な最低限度の基準という意味です。

国庫負担金

 国と地方公共団体との間の財政関係では、普通「負担」と「補助」に分かれ、その事業に要する経費の性質上、国と地方公共団体の双方が経費を出すべきものについては、原則として「負担」という言葉を用い、これに対し本来地方公共団体が経費を賄うべきものにつき国が奨励的ないし援助的な趣旨でその財源の一部を援助するときは「補助」という語が用いられます。
なお、「支弁」という語は、その事業に要する経費を地方公共団体がその財源から支出すべき義務を負うことを意味するもので「負担」に対応する関係を持っています。
従って、措置費に対する国庫負担金とは、各会計年度を単位として、その支弁義務者すなわち地方公共団体が支弁した措置費の2分の1の額が、それに相当します。

保護単価

 措置費の入所児童等の一人当たりの単価について保護単価と呼んでいます。
児童福祉法は厚生労働省令という形式で最低基準を設け、児童福祉施設入所児童の心身の健やかなる育成を確保しようとしていることから、措置費の内容は、この最低基準の企図するところを経済的に具現したものといえます。

児童入所施設の措置費

 児童入所施設に対する措置費は、これを大別すると、事務費と事業費に分かれ、さらに事業費は細分化されています。

事務費

 事務費は、児童福祉施設を運営するために必要な人件費、管理費及び民間施設に対する民間施設給与等改善費を指します。
民間給与改善費は、民間施設については、主として公立施設の職員給与との格差の是正、すなわち、給与の公私格差の是正を図る観点から特別な財源措置という趣旨で導入されています。
都道府県知事又は指定都市若しくは中核市の市長が年度当初に設定した月額保護単価にその施設の「定員」を乗じた額をその月の事務費の支弁額として、施設に支払います。こうした支弁方式は普通「事務費の定員払い」といわれており、つまり、定員に応ずる職員構成によって保護単価を設定し、これに定員を乗じた額が支弁されるので、結局、措置児童数の変動に関係なく、定員に対応する職員の所要経費が固定的に保障されることとなります。

人件費

 一定の職員の数に応じて、その職員の確保に必要な給与で構成されています。職員の数については、最低基準を基礎としてその職種と定数が定められています。給与は、基本的には国家公務員の給与に準じて、従来から本俸や特殊業務手当、期末勤勉手当等の諸手当が算入されています。
特殊業務手当
全ての児童福祉施設の保育士、児童指導員等の直接処遇職員を対象とし支給されているもので、要するにその職務が通常の場合に比して複雑困難であるなどの特殊性に着眼して、本俸の4%相当額を特殊業務手当として既定の本俸に加算し、その厚遇を図ろうとする趣旨であり、社会福祉施設の職員の特殊性を配慮したいわば独自のものとされています。

管理費

 施設の維持管理に必要な経費で旅費、庁費、嘱託医手当、被服手当、補修費、保健衛生費、職員研修費、職員健康管理費、施設機能強化推進費等に充てられる経費が算入されています。

事業費

 主として直接入所児童のために使われる経費であり、児童福祉施設における保護の内容が児童の日常生活全般にわたるということもあって、経費の費目も広範となっています。
事業費の各費目毎の保護単価に、措置児童数などの員数を乗じた金額の合算額がその月の事業費の支弁額として施設に支払われます。

財務諸表の見方

情報開示として、福祉関係のホームページで財務諸表が公開されています。主な財務諸表として、次の表が挙げられます。

①貸借対照表
②資金収支計算書
③資金収支決算内訳表
④事業活動収支計算書
⑤事業活動収支内訳表
⑥財産目録
⑦固定資産管理台帳

この内、③は②の詳細、⑤は④の詳細、⑦は⑥の詳細となっているため、③⑤⑦の公開を省略するのが一般的です。
せっかく情報公開してあるので、見たことがある人もいることでしょう。でも、数字が羅列してあるだけで、何を見たらよいのか、分からないと言う人が殆どです。
そこで、表の見るべき場所を簡単に説明します。
①貸借対照表

この表は、たいてい、1ページで収まっています。資産の部合計と負債及び純資産の部合計が一致していれば正解です。仮に不正解であれば、情報開示として公開することはないはずです。
ただし、仮払金の欄に数字が計上されていれば要注意、仮払金を持ち越さないことは原則ですので、年度末会計処理が未熟であると言うことになります。

②資金収支計算書

最初に収入科目が並んでいます。その収入科目の最後の行に「経常収入計」があり、その次の行に「人件費支出」があります。
人件費支出÷経常収入計=と計算してみましょう。その結果が0.70以上の時は、事業費及び事務費支出の節約過剰となります。その福祉施設は、職員を過剰雇用していることになりますが、子どもたちや利用者の方の安全と支援の充実を図るために、そうせざるを得ない場合も考えられますので、一概に経営不安定との烙印を押すわけにもいけません。 次に「事業費支出」を探します。その「事業費支出」の下に「給食費」があります。
給食費÷事業費支出=と計算してみましょう。その結果が0.35以下の時は、給食費の節約過剰になります。子どもたちが本来、摂取すべき栄養量が不足している場合がありますので、要チェックです。ただし、大量発注したり、安売りスーパーを回ったり等の買い物上手栄養士による努力のたまものと言うことも充分に考えられます。
この表の最後から3行目に「当期資金収支差額合計」がありますが、この部分の数字が(-)の場合、赤字経営ということになります。しかし、最終行の「当期末支払資金残高」に資金が残っていたら経営的には、大丈夫です。

④事業活動収支計算書

殆ど、資金収支計算書と変わりませんが、表の最後の部分が違います。特に最終行「次期繰越活動収支差額」の数字は、貸借対照表に連動しますが、説明は、少し、複雑になりますので省略します。

⑥財産目録

貸借対照表と内容的には、変わらず、純資産の部を省略してある表程度に解釈すれば良いでしょう。ここでは、「設備資金借入金」の数字をチェックしましょう。いわゆる、借金です。借金は、少ない方が、もちろん良いのですが、改築事業を行った場合、借入金の数字は、一気に増大します。従って、ここの数字が大きい場合は、改築工事や大規模修繕を、最近、行ったと解釈します。

⑦固定資産管理台帳

貸借対照表と照合する必要がありますが、不整合であれば、それは会計職が未熟であるとの表れです。また、減価償却が適正であるかのチェックが必要ですが、最近は、殆ど、会計ソフトで処理しているので、余程のことがない限り、大きな間違いはないでしょう。従って、それ程、真剣にチェックする必要はありません。

以上、財務諸表の簡単な見方を説明しましたが、決算書類には、他に次の表が追加されます。

・貸借対照表の各科目の明細表
・資金収支計算書の措置費や寄付金の明細表
・3月31日付の残高証明書

これらの書類が全て、整備されたら、法人の監事監査を受けます。この監査は、自治体等の指導監査とは、違い、法人の内部監査の位置づけです。
会計士やそれに準ずる能力の方が法人監事を担っていますので、細部に至るまで、チェックが行われます。その厳しい、監事監査を経て、大体、5月~6月頃開催される、法人定例理事会で、決算報告がなされ承認を受けることになります。
それら一連の流れが終了した時点で、ホームページ等を通しての財務諸表及び事業報告書の開示になります。
補足として、監事監査では、決算書類の他に、法人登記簿謄本、定款、諸規定のチェックも行われています。

予算書の見方

最近は、情報開示が積極的に行われ、児童福祉施設のホームページでも事業計画・事業報告・財務諸表等の開示が目立つようになってきています。その中で、予算書を取り上げ、その見方を簡単に説明しましょう。
まず、収入の欄ですが、措置費収入が最も大きな収入源となります。この中の事務費収入は、基本的に措置児童の定員数×単価となり、年間、安定した金額が補償されています。事業費は、各月初日のこどもの人数×単価となり、こどもの人数に左右されます。従いまして、予算を立てる時は、年間の措置児童人数の予測を行います。
措置費は、国と自治体の折半となりますが、都道府県又は市町村補助金収入は、自治体の単独補助となり、この金額は、自治体によって異なります。その他の補助金収入として代表的なのは、私立幼稚園に通えるよう就園奨励補助金が出る場合等があります。
善意ある個人や企業からの寄付金がありますが、これは、相手合っての事なので、勿論収入予測は、立てられません。それでも予測金額を書き入れています。
普通預金や定期預金による受取利息収入がありますが、この部分は、会計を担っている職員の資金運用能力を推し量ることが出来るでしょう。その他の収入は、雑収入として計上しています。
支出で一番大きな割合を占めているのが人件費です。全体支出の65%~75%程度を占めています。事業所によっては、子どもたちの安全確保と処遇の充実を図るため、法定配置人数より多めに雇用しています。
事務費支出は、事業所として運営していくために必要な経費にかかる支出です。この部分は、子どもたちの為ではなく、職場運営に使用されます。
最も重要な部分は、事業費支出になります。この部分こそ、子どもたちに直接使われる経費です。特に給食費・被服費・本人支給金をチェックしましょう。この部分は、道義的に節約の対象になりません。明らかに数字が少なければ、、事業所の運営方針として間違った選択をしていることになります。
最後に収入の合計と支出の合計をチェックします。予算書上は、必ず一致しているはずです。予算上の支出は、実際金額より少し多めの設定となっています。

事業計画と報告

事業計画を作成する場合、特に統一的なフォームがあるわけではありません。従って、内容についても、様々な項目が挙げられます。そのため、事業計画は、事業内容や作成目的に合わせて、各事業所に合ったものを作成しています。
この事業という言葉が、皆さんは馴染みにくいと思いますが、労働基準法的には、児童養護施設も事業所であり、社会保険や所得税取扱についても事業所として行っています。
只、業務的には、利益追求が発生しませんので、「事業」を「目標」という言葉に置き換えると分かりやすいと思います。
事業計画を作成する目的は、事業の内容を論理的に整理し、事業の目標を立てることです。そして何よりも大切なことは、事業を行っていく上でそれを活用することです。事業計画書を作成したのに見たのは、1度だけと言うことでは、事業計画書を作成した意味がありません。そのために自分たちの立案した目標を時々、チェックしています。
事業計画を作成する際には、事業目標を検証したり、事業活動を修正したりします。重要なことは、達成可能な或いは、努力すれば達成できそうな目標を掲げていることです。
しかし、事業が計画通りにいけば良いのですが、未達成の場合も多々あることです。そのため、事業計画を作成しても机上の仕事で現場には意味をなさないと思う人がいるかもしれません。しかし大切なことは、事業計画を立てることにより、目標を整理し文書として残し、事業の進むべき道筋を明確にした上で、事業を行っていくことでしょう。
事業報告を作成する場合、事業計画で立てた目標が達成したのか、どうかが重要です。目標が達成した場合、どの様な取り組みの結果、達成し、その効果(結果)がどうであったかを記入します。達成していない場合、その目標を次年度に継続するのか、それとも、達成できるレベルに落とすなど目標を変更するのか等を検討することになります。
事業報告の場合、反省点とかは必要ありません。必要なのは、結果のみです。目標設定は、「子どもの利益」が伴わなければ意味がありません。その目標が達成されれば、子どもたちは、「成長している」「生活が豊かになった」等の結果が見える目標を設定しているかどうか。また、職員の処遇内容の向上等もあるかどうかをチェックしましょう。

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